中古住宅を購入しようと思っているんだけど
インスペクションした方がいいよって教えてもらったんだけど
どうすればいいの? どんなことするの?
この記事は、中古住宅を購入する時に、既存住宅状況調査(インスペクション)を
しようかなと思われている方に向いている記事です。
インスペクションの基本知識
以前から「ホームインスペクション」や「住宅診断」などの名称で建物調査を
行っている会社がありますが、宅地建物取引業法が規定するインスペクションは、
建築士が、国の定めた既存住宅状況調査(インスペクション)の基準に従って
行う調査のことで、国土交通省が定めたガイドラインによると、3つに分けられています。
① 既存住宅の係る一次的なインスペクション
目視を中心とした、非破壊による現場調査で、安全性や日常生活上の支障があると
考えられる劣化の有無を、把握しようとする、基礎的なインスペクション
② 既存住宅の係る二次的なインスペクション
破壊検査も含めた詳細な調査を行い、劣化の生じている範囲を特定し、
不具合の原因を、総合的に判断しようとするもの
住宅の耐震診断がこれに当たります。
③ 性能向上インスペクション
リフォームの実施前後の現状調査、検査を行い
住宅の劣化状況と性能を把握しようとするもの
現在、既存住宅を対象として行われているインスペクションは、
①の中古住宅の売買時に行われる、建物検査を対象としています。
中古住宅の売買時に、不動産業者から説明があるインスペクションは、
一次インスペクションのことで、不具合の原因解明や、耐震診断は入っていません。
どんな事するの?
基礎・屋根・外壁などの外部のひび割れや、劣化の確認などが行われます。
ただし、屋根面は、目視できる範囲に限られていることが多いです。
屋内では、床や壁、ドアの傾き、劣化などの確認が行われます。
水回りの設備では、漏水、動作確認などの確認
ただし、電気や水道が、使用できない場合は、調査できないことがあります。
ガス設備は、対象外となっていることが、一般的です。
床下、屋根裏からは、点検口から見える範囲での検査で、金物の固定状況、劣化状況
などの確認を行います。
ただし、床下、屋根裏の詳細調査は、オプションとなっていることが多いですが、
床下、屋根裏は重要な場所なので見ておきたい部分です。
費用は?(100㎡(約30坪)程度の住宅)
基本料金は、4~6万円が相場です。
基本的には、目視での判断になるため、より詳しく調べるためには、オプションで
床下や屋根裏の調査をすることが多いようです。
- 床下の進入調査 2~3万円
- 小屋浦の進入調査 2~2.5万円
- 屋根の調査 1~2万円
上記が、オプション価格の相場となり、総額では、10~13万円くらいになります。
その他では、耐震診断の費用は、5~6万円が基本ですが
細かな診断だと、10万円を超えることもあります。
インスペクションと、耐震診断の両方を行うことで、割引になる会社もあります。
会社により異なりますので、事前に相談してみてください。
メッリト・デメリット
インスペクションをすることにより、
どのようなメリット・デメッリトがあるのでしょう。
メリットは、建物の現在の状況を知ることができるため、
直すべき箇所があった場合、あらかじめ知ることができ、
中古住宅購入時に妥当かどうかの判断もしやすくなります。
(補足)
既存住宅状況調査技術者の有資格者が中古住宅の購入前に、
既存住宅状況調査(インスペクション)し、必要に応じて補修を行った上で、
既存住宅売買瑕疵保険への加入が可能です。
また、中古住宅を購入してリフォームを予定している場合でも、
資金計画が立てやすいでしょう。
デメリットは、検査に費用がかかることや、調査会社によって、価格や調査範囲が違うことです。
基本料金+オプションとしているところが多く、事前に確認しておきましょう。
注意点
① 注意点としては、中古住宅の購入の前に「検査する」
購入後だと、直すべき箇所が見つかった場合などに、大幅な計画変更を
しなくてはならない状況になるため、購入前にインスペクションしましょう。
② 検査費用がかかるため「本当に気に入った住みたい家か?」と思える家のみを検査しましょう。
③ 調査会社の対応エリアの確認
せっかく良い調査会社を見つけても、対応していないエリアや
余計な出張費がかかるかどうかなど、確認しておきましょう。
④ 調査時間を伝える
調査するにあたり、調査時間が、1~3時間程度かかるため、不動産会社に、
内見予約時に、インスペクションをしようと思っていることと、
その調査には、時間がかかることを、伝えておきましょう。
⑤ 既存住宅現況検査技術者と既存住宅状況調査技術者
既存住宅現況検査技術者と既存住宅状況調査技術者の二つの資格は、
非常に似ていますが、全く違います。
平成30年4月より、中古住宅の取引において、宅地建物取引業者との媒介契約書面に
インスペクションの斡旋の有無の記載があります。
この調査を行えるのが、「既存住宅状況調査」です。
まとめ
中古住宅の購入時に行われる、既存住宅状況調査(インスペクション)では、
非破壊で目視を中心とした調査なので、
中古住宅を選ぶ段階で調査することができ、中古住宅を選ぶ、一つの指標になります。
今の家の現状がわかるため、たいへん有効です。
また、リフォームを考えている方にも、オススメです。
さらに、詳細な調査の場合には、破壊を含めた調査になります。
破壊を含めた検査は、中古住宅の購入後になることが多いですが、
耐震診断などがこれに該当します。
また、調査会社には調査内容の確認、
基本調査、オプション調査の内容と費用の確認を把握しておきましょう。